ゴールデンカムイの実写化が発表されてから、ネット上では実写化に対する様々な意見が挙がっていますが、「原作のアイヌ文化をどう描くのか?」ということにも注目が集まっています!
ゴールデンカムイの原作ではアイヌが登場したり、アイヌ語やアイヌ文化を描いたシーンも多数あるのでそこを無視して実写化というのは無理ですよね。
しかしアイヌ文化を原作通りに実写化で伝えることができるのか?というところは不安に感じているファンが多いようです。
またアイヌ語は独特で知識がない人にとっては理解しがたく、原作を読んだことはないけれど実写映画が気になる!という方は、ゴールデンカムイによく出てくるアイヌ語を知っておくとストーリーをより楽しむことができるのではないでしょうか。
そこで今回はゴールデンカムイにおけるアイヌ文化やアイヌ語についてまとめました。
この記事で分かること
- ゴールデンカムイ実写化のアイヌ文化はどうなる?
- ゴールデンカムイ実写化│原作アイヌ語まとめ
ゴールデンカムイ実写化のキャスト予想や福田雄一監督有力説の検証はこちらの記事を参考にしてくださいね。
ゴールデンカムイ実写化のアイヌ文化はどうなる?
ゴールデンカムイ実写化において、短時間の映画でアイヌ文化について正しく伝えるのは難しいと思いますが、できるだけ原作に忠実に描かれるのではないかと思います!
原作ファンのみなさんは「映画でアイヌ文化を正しく描くことができるのか?」と不安を抱えているようです。
『ゴールデンカムイ』はアイヌ文化に配慮した作品と言われてるけど 実際のところ、日本人による民族中心主義に貫かれてるので、実写化により配慮の部分が欠落し、後者だけが強調される可能性が高いと思うな。
https://twitter.com/yunishio/status/1516263909035896841
ゴールデンカムイ実写化が嫌なんじゃない アイヌ文化やアイヌの人々へのリスペクトに欠ける作品にだけは頼むからならないでくれという気持ち
https://twitter.com/sessya_yaoimono/status/1516082083785224203
ゴールデンカムイの作者である野田サトルさんは、アイヌ語研究の第一人者である千葉大学文学部の中川裕教授も驚くほどにアイヌ文化について下調べを入念にしたうえでゴールデンカムイを描いています。
コミックス末尾の参考文献一覧を見ればわかりますが、アイヌ文化だけでも膨大な調べものをした上で描いているわけです。その調べた色んな情報が全部、物語の一部分としてうまく取り込まれている。
しかも、調べたアイヌ文化の色んな要素が、一回きりのネタとして登場するんじゃなくて、メインストーリーにもきちんと繋がっていますよね。主人公がどんどん活躍していくにつれて、いつの間にか最初の方の設定が忘れ去られてしまうなんてことはよくありますけど、『ゴールデンカムイ』ではアイヌ文化の知識が物語の重要な展開にうまく絡んできます。
それでいながら、ストーリーに無理なところもない。全て自然な形で辻褄が合っているようにしか見えない。野田さんの天才的なバランス感覚がなせる業(わざ)だと思います。
アイヌ語研究の第一人者も驚いた、漫画『ゴールデンカムイ』の完成度「アイヌ文化の描写が完璧です」 – ライフ・文化 – ニュース|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト] (shueisha.co.jp)
これだけアイヌ文化を熱心に調べて描かれた漫画を、数時間の映画で表現するというのはかなりハードルが高そうですよね。
ゴールデンカムイ実写化が初めて触れるアイヌ文化になる人も多いかと思いますので、そこはアイヌ文化をしっかり描いてほしいと思う原作ファンの気持ちはわかります。
またアイヌにルーツがある方々も、ゴールデンカムイ実写化には不安を抱えているようです。
1人のアイヌとしての意見ですが、ゴールデンカムイの実写化なんて懸念しか無いですよ。 だって、どんなにあの話の中でキャラクターが奮闘した所で「未だに差別と蔑視に塗れたこの現実」とは決して結びつく事は無いのだから。
https://twitter.com/rikcaS2/status/1516237707181445122
アイヌ差別については、2021年3月にも『スッキリ』で差別表現が放送され問題になったことがありましたが、その差別用語について知らなかったという視聴者も多かったようです。
テレビや映画は、漫画よりも多くの人の目に触れることになりますので、アイヌ民族を差別するような表現があると原作ファンだけではなく、アイヌ民族からも反感を買うのは必至と言えます。
ゴールデンカムイ実写化において、アイヌ文化は慎重に、原作に忠実に描かれるのではないかと思います!
ゴールデンカムイ実写化│原作アイヌ語まとめ
ゴールデンカムイ原作にはアイヌ語がたくさん出てきます。原作ファンにとっては当たり前の言葉かもしれませんが、原作を読んだことがない方にとっては分からない言葉が多いですよね。
また原作を読んだことがある方でも、「このアイヌ語はどんな意味だったかな?」と確認したいこともあるかもしれません。
そこでゴールデンカムイに登場するアイヌ語をカテゴリごとにまとめてみましたので、ご紹介します。
(参照サイト:https://toretame.jp/)
ゴールデンカムイ原作アイヌ語│人・神
- アイヌ:人間(アイヌ民族:北海道に居住していた狩猟民族)
- シサム:和人(アイヌ以外の日本人)
- ウパシクマ:遺訓や伝承などの言い伝え
- カムイ:神(力の及ばないもの、身の回りの役立つものなどすべて)
- ウェンカムイ:悪い神(「ウェン」は「悪い」という意味)
- キムンカムイ:ヒグマ(山の神)
- ホロケウカムイ:狼の神(狩する神)
- カパチリカムイ:鷲の神(オオワシ)
- ワッカウシカムイ:水の神
- イオマンテ:熊送り(ヒグマなどの動物を殺しその霊を神々の世界に送り返す、アイヌの儀礼のひとつ)
ゴールデンカムイ原作アイヌ語│生活・食事
- クチャ:仮小屋(狩猟や漁労の際に寝泊まりする)
- チタタプ:アイヌ料理のひとつ、肉(魚)のたたき(直訳すると「チ(我々が)タタ(刻む)プ(もの)」)
- オハウ:煮込み汁(肉や魚、野菜などを鉄鍋で煮込んだ料理。石狩鍋や三平汁の起源ともいわれている)
- オマソ:う〇こ
- ヒンナ:いただきます(食事に感謝する言葉)
- イセポ:うさぎ(イーっと鳴く小さいもの)
- エサマン:カワウソ
- ユク:鹿(エゾシカ)
- ルイペ:生の肉や魚を凍らせたアイヌの料理(「ル(溶ける)イペ(食べ物)」)
ゴールデンカムイ原作アイヌ語│アシリパの装備、他
- カリンパウンク:桜の皮を巻いた弓
- アイ:矢
- イカヨプ:矢筒
- タシロ:山刀
- メノコマキリ:女用小刀(「メノコ」=女性、女の子「マキリ」=小刀)
- エキムネクワ:山杖
- ユクケリ:鹿革の靴
- チンル:堅雪用かんじき
- ストゥ:制裁棒(窃盗や殺人が行われたときに制裁を加える棍棒)
- イパプケニ:鹿笛(鹿の膀胱を薄く伸ばしたものが張られ、鹿の鳴き声によく似た音を出す)
- ピセ:熊の胃袋で作られた容器(水や油を入れるために使われた)
ゴールデンカムイ原作アイヌ語│コタン(村)
- コタン(アイヌコタン):村、集落
- チセ:家
- ムックリ:竹製の楽器
- プ:貯蔵用の蔵
- フチ:祖母、ばあさん
- エカシ:長老、祖父、じいさん
- アマッポ:自動発車式の仕掛け矢
- トゥレンペ:憑神
- シタッ:(白樺の)樹皮
- タッニワッカ:白樺の水(樹液)
まとめ
今回は「ゴールデンカムイ実写化のアイヌ文化はどうなる?原作アイヌ語まとめ」と題してご紹介しました。
ゴールデンカムイのストーリーにおいてアイヌ文化はとても重要ですが、映画という限られた時間の中でアイヌ文化を忠実に描くというのはかなりハードルが高いと思われます。
しかしゴールデンカムイ原作者の野田サトルさんは、膨大な調べ物をしたうえで漫画を描かれており、アイヌ語研究第一人者である教授も驚くほどアイヌ文化をしっかりと表現しています。
ゴールデンカムイ実写化にあたっても、アイヌ文化についてしっかり理解したうえで制作することで、原作ファンもアイヌ民族も納得できる内容になる可能性はありそうですね。
ゴールデンカムイ原作に出てくるアイヌ語については一覧にまとめてみましたので、これから原作漫画を読んだり実写映画を観てみようという方は、ぜひ参考にしてみてください。
ゴールデンカムイ実写化についての続報が入りましたら、またご紹介します。
ゴールデンカムイ実写化のキャスト予想や福田雄一監督有力説の検証はこちらの記事を参考にしてくださいね。